バスはマルセイユに入った。治安の悪いところを通っている。落書きが多い。
何ここ?移民街のフリーマーケット?ごみが落ちてて、移民がゴミなんだか麻薬なんだかわからないけれど、50人くらいごちゃごちゃいて、取引をしている!
「これぞマルセイユ!」なぜか二人で大笑いしてしまった。あまりに想像通りの影のマルセイユを見たからだ。マルセイユの恥部。観光客には見せられないマルセイユ。
バスを降り、地下鉄にも乗ったが、そこも汚く、物乞いもいた。マリコさんが切符を買うのを見計らって小銭を待ってるおじさんがいて、マリコさんは小銭をあげた。
車内は、なんか薄暗く、人々が濃い。あまり長くいたくない。リヨンのクリーンな地下鉄とまったく違う。下町というか貧民の町というか。
「アラブ系が多いですが、好みの男の子います?」とかくだらない話をした。
何の話だったか忘れたけど、男の子二人が口を挟んできて、マリコさんに教えていた。マルセイユの街のことだったかな?
また、モノプリに行って、ホテルで休んで、港の前のレストランへ夕食に出た。
今日は違ったレストランで海老を食べた。「きのうのとこのほうがいいね」といいながら。
アラブ系のグループがいて、若い女性(たぶんピンクのスーツ着てた)が赤ちゃんを連れていた。赤ちゃんがうるさいので叩いたらしいのだ。そしたら、ウェイターが、「あなたが赤ちゃんを虐待したのを見ましたよ。」と、アラブ女性に忠告したらしいのだ。
「フランスは幼児虐待に過敏で、大人たちは目を光らせています。」と、マリコさん。
アラブ系との間には、まだまだ壁があること、女性蔑視があることから、文明国としては認められるのが難しいなど、社会的な話になった。
「リヨンは治安が良いのでしょう?」
「良いほうですね。でも、地下鉄にたまに不良どもはいますよ。」
「マルセイユはすごく治安が悪いんですよね。こんなふうにみんな楽しく夜遊びしてるけど。」
もうすぐ旅は終わる。たった6日間しかフランスにはいられなかったが、ものすごい密度を過ごした。ワイン、海老、バナナスプレッドを食べた。
騒がしい街。光る海。マリア様の姿が輝く。マルセイユは騒々しくて夜の楽しい街。カラオケに熱中する人。誰もが楽しそうに夏の夜を楽しんでいる。ここで、夏、バカンスそんなものを知った。
日本でなくても生きられる。自分が決めることで。人生には様々な姿がある。
「今夜、パーティがあるんだ来てよ!」バイクの男の子がわざわざ止めて、マリコさんを誘っていた。夜が終わるのが悲しかった。
さて、ホテルに戻り、それぞれ部屋に戻り、わたしはお風呂に入った。しかし、何か気味が悪い。実は、部屋に入ったとたん、恐怖を部屋から感じたのだ。
わたしは、鏡の前に、マグダラのマリアのキャンドルと石を置き、わたしの守護天使ジュードの写真を貼った。風呂から上がったが、怖い。この鏡が原因だ。わたしは、マリコさんに部屋に来てもらった。そして、手早く荷物をまとめた。この部屋にはいられなかったのだ。今までに感じたことのない恐怖と警戒心だった。この部屋は何かあるよー。
マリコさんの部屋に行き、一緒に寝てもらった。そんくらい怖かったのだ。マリコさんは咳をしていた。
「マリコさんは、サントボーヌで咳に苦しんだの」、わたしは寝言を言っていた。